【後編】3Dプリンターで実物大の胸像を作ってみた【スマホで3Dスキャン】
Jay Hirano | Posted on |
ご本人と対面!3Dスキャン胸像制作の後編です!
ライター:Jay Hirano
KMGのある梅小路エリアに新しくオープンされた「KBL THE GARAGE」のオーナーさんとイベントを開催ができないかとお話しをする機会があり、雑談のなかで「通りすがりの人がナニコレ?と質問してもらえるようなモノもあればいいな」と一言。自分も興味のあった「実物大の胸像」でもつくってみようとなりました。
前編はコチラ▼
【前編】3Dプリンターで実物大の胸像を作ってみた【スマホで3Dスキャン】
実物を見学されたい方は以下のGoogle mapをご確認してぜひ遊びに伺ってみてください。
KBL THE GARAGE
〒600-8846 京都府京都市下京区朱雀宝蔵町27−2600-8846 京都府京都市下京区朱雀宝蔵町27−2
https://maps.app.goo.gl/Y29eLMhU7Lotn16r8
プリントの手順(後編は④~⑥)
「イージートライ」をコンセプトにKMGで胸像をつくる工程としては以下の通りです。
①スマホアプリ「Scaniverse(無料)」(iPhone版、Android版)で3Dデータのスキャン
②「blender(無料)」でデータ修正 ※windows PCでは省略可
③3Dプリント用のスライサーソフト「Prusa Slicer(無料)」で分割編集
④3Dプリンターでプリント(プリンターはなんでもオッケー、KMGではPrusaシリーズのMK3S)
⑤ゴムのりで接着(コニシ 速乾ボンド G10Z ゴム系・溶剤系接着剤)
⑥塗装(メッキスプレー 染めQゴールド)
④3Dプリンターでプリント
大きなプリントはブリム(餃子の羽っぽいもの)を設定してあげる
前編で用意した3Dデータを個別にプリントしていきます。
今回は実寸大胸像をプリントすることになるので、プリントエリア(w250mm x d210mm x h210mm)にそれぞれ配置していきます。
ひとつあたりのプリントにはおよそ10時間強、9個のパーツに分けたので全体で90時間かかりました。
あたまを4パーツ、首で1パーツ、胴体で4パーツ
材料はPLAフィラメントを2kgくらい使用、6000円程度
底の面が広いので、反りあがってプリントが失敗するリスクを考慮して「ブリム(餃子の羽のようなもの)」が付くように設定しています。(今回は2mm程度、無いよりマシ)
どのプリンターメーカー・スライスソフトもチェックボックスで有効にできますので、プレートへの定着が悪いようであれば、最初に試してみてください。
⑤ゴムのりで接着(コニシ 速乾ボンド G10Z ゴム系・溶剤系接着剤)
道具の用意
今回は表面がつるつるしているPLAフィラメントのプリント物の広い面同士を接着するため、ゴムのりを使用していきます。
用意する道具はこちら▼
・コニシ 速乾ボンド G17Z
・板金用ヘラ
・マスカーや段ボール
・クッキングシート
・使い捨て手袋(こまめに取り換えた方が良いので多めに)
ホームセンターですべて買えます。
ゴムのり(G17ZでもG10Zでも、1kgあたり2000円もしません)さえ購入できれば、後は適宜ご用意ください。
張り合わせは両面にうすく塗って、5~10分乾かしてから
ゴムのリは、2段階に分けて接着が行われます。
1段階目は、材料とゴムのり自身の接着
2段階目は、ゴムのり同士の接着
です。
まず接着面それぞれにうすくゴムのリを塗り伸ばして5分ほど乾かすことでゴムのりを材料に定着させます。
そのうえで接着面同士を張り合わせます。
接着の強度を高めたい場合はクランプしましょう
接着をより強固にするためには、締め付けたり押さえつけたりしたうえで固定が必要です。
よくあるクランプには、洗濯ばさみのような形状のものや、ねじを回すことで金具ではさみこむものがあります。
今回のゴムのりではそこまで強く締め付けなくてもいいことと、金具が滑りやすい形状をしているので、トラックの荷台固定用にで販売されている分厚めのゴムベルトで代用しています。
固定して締めることができればビニールひもでも大丈夫です。
道具やはみ出したゴムのりの掃除は溶剤でふき取り
ゴムのりはラッカー薄め液などでふき取りが可能です。
ゴムのリは意外とさらさらとしているため、はみ出したり、こぼれたりと事故もあり得ます。
そのようなときと道具の整備のときは溶剤とウエスなどの布を使用してふき取りましょう
⑥塗装(メッキスプレー 染めQゴールド)
染めQはお値段は張りますが、塗装はしやすくクオリティも高かったです。
最近ではホームセンターでもお安くメッキスプレーを取り扱っているのでそちらを手に取ってみましょう。
塗装の前には養生を
塗装する場所を確保したら広めに養生をしましょう。
マスカーを使うと広いエリアを簡単にマスキング、養生できます。
使用する場所を保護できるようであれば段ボールやごみ袋をテープで固定するのもよいでしょう。
広いエリアをきちんと整備することで、スプレー塗装に集中できます。
スプレー塗装のコツは「常に一定の距離とスピードで、うす塗りを繰り返す」
焦ったら事故ります。
とにかく軽く練習をしてから段取りやイメージを固めましょう。
やり方はスプレー缶の裏に書いてあります。
読みましょう。
練習したくなったらKMGにきてください。手伝います。
じゃん!できあがり!
この日は天気もよかったので早く乾燥しました。
ただあまりに高温であったり直射日光が当たると、塗膜に水膨れのような気泡ができますので要注意です。
ホコリや湿度、気温などに気を付けて取り組みましょう。
イベントでお披露目した際は、オーナーご本人と記念撮影
KBL THE GARAGEでのカジュアルイベントでお披露目&贈呈した際に記念に1枚撮影しました。
眼鏡まで再現しスムーズに出来上がっていたので驚いていらっしゃいました。
ミニオーナーが隠れています
実は実寸大の胸像を仕上げている間にも、10分の1サイズのミニオーナーフィギュアをプリントしていました。
10色のミニオーナーフィギュアがKBLの様々な場所に隠れていますのご訪問された際はそちらも探してみてください。
【宣伝】KMGはあなたのモノづくりを加速させます
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